今回の展示について

現在、ON READINGにて開設中の、いつもやっていること文化センターでは、店内のスペースを利用して、『ON READINGにいる、文化センターにいる -いつもやっているやりとりのなかで、すこしだけかわる-』という展示をおこなっています。


その場所で読むということ


この展示では、「いつもやっていること」を気にかけてみるという、当センターがすすめる文化的な活動を、ON READINGの店内にもひろげ、「ON READINGで、いつもやっていること」も気にかけてみることをしています。言うまでもないことですが、ON READINGは本屋さんなので、来ているお客さんがいつもやっているのは、本を見て、本を選んで、本を買うみたいなことなのは間違いないはずなのだけど、じっさいは、ぜんぜん、それだけじゃなく、床が軋んだり、ドアの開く音が聞こえたりして、狭い空間をゆずりあったり、店内のBGMに耳を傾けるだけじゃなく、こっそりと店主さんとお客さんがしているおしゃべりに聞き耳をたてたり、さらにはギャラリーで壁の前に立ったりみたいなことをいくつもしてるはずです。


そんな、わざわざ意識したりはしてないこと。でも、しっかりやっていることを、「たしかに、やってるなぁ」と思い返してみる。そういうことができる冊子を、店内に8冊ほど、用意して展示してあります。ふつう、本は、お店で読むことができるだけでなく、買った帰りに電車のなかで読むことができるし、家に着いてからゆっくり読むこともできるものです。それは、書かれている内容が、それを読むという文脈と関係ないものだからできること。たいていの本は、どこで読んだって意味は変わりません。でも、今回、ご用意した冊子は、そこで、その場所で、ON READINGのその場所で読むことでこそ、そこでしていた自分の知覚を再度、知覚しなおし、さらに他の人の知覚も想像させる、そうしたやりとりのなかにあることを経験できる仕掛けになっていると思います。


ぜひ、そうした知識や理解とは違う、経験をON READINGに来てしてみてください。

いつもやっていること文化センター

ホモ・サピエンスの道具研究会

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