夜の文化センターを終えて

12日(月)と16日(金)におこなった「夜の文化センター」が終了しました。集まってくださったみなさま、ありがとうございました。はじめての試みで、心配もありましたが、とてもたのしい時間となりました。ふつう、イベントでは、企画者が語り、来場者がそれを聞くという関係が一般的なのに、この集いでは、それとは逆に、集まった人がそれぞれに語り、企画者が聞くというもの。


ホモ・サピエンスの道具研究会は、これまで本を作って出版したり、展覧会やトークイベントなどもおこなってきて、最近では、特に、ひとつの方向に情報を受け渡すような関係とは別の関係を作ることはできないかなと模索もしていました。本来、「話をする」というのは、どんな時でも、お互いそれぞれの文脈を大事にして、つねにそこからあらたな気づきや、あらたな関係性が生まれてくるようなもの。なのであれば、そのような仕組みに、ただ身をゆだねてみる。話を聞けば、もっと知りたくて聞き返してみたり、それはこういうことかなとまとめてみたり、こんなこともあるよと、あらたな話が接続されたり。



ふたつの線を走らせる、時には縺れる


いつもやっていること文化センターは、そんなふうに「話をする」という、とても単純な行為がもたらすものの可能性を存分に尽くす試みなのだとも思っています。夜の文化センターは、特に、それを意識的に「集い」として試みたもの。この試みは、引き続き何らかのかたちで続けてゆきたいなと思っています。


誰もが語れる「いつもやっていること」を話題に、いつもやっているように誰かと話をする。立ち止まって完全に距離を取ってしまうのではなく、いつもやっているそのままに、いつもやっていることを気にかけるのは、ふたつの線を同時に走らせることに近いかもしれません。いつもやっているひとつの線と、いつもやっていることを気にかけるもうひとつの線。それは、時々、絡まってしまうけど、それをほぐすのもたのしい時間。いつもやっていること文化センターは、多くの人とそのようなことをしたいし、やってきた人たちのそれぞれの線が思いがけず縺れてしまうような場所であっても欲しいなと思います。 


いつもやっていること文化センター

これからも、ご利用よろしくおねがいいたします。

いつもやっていること文化センター

ホモ・サピエンスの道具研究会

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